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三谷 吾一(みたに ごいち) ― 輪島塗が生んだ革新者
三谷吾一は、パウル・クレーの抽象的で詩情豊かな色彩に影響を受け、沈金に新たな表現領域を切り拓いた輪島塗の巨匠です。従来の沈金は黒や朱、金銀粉に限られていましたが、三谷はプラチナ箔や着色アルミ粉、酸化チタン・酸化鉄、さらには雲母を着色したパール粉など、多様な新素材を取り入れました。これにより、従来不可能だった細やかな諧調や中間色を生み出し、沈金に独自の絵画的世界を築き上げました。
十数年に及ぶ研究の中で、金属粉同士の組み合わせや線彫りと点彫りを重ねる技法を工夫し、油彩や版画とも異なる「沈金ならではの光と色彩表現」を確立。幼少期に輪島で目にした草花や魚、鳥、貝といった身近な自然がモチーフとなり、繊細かつ幻想的な作品世界を展開しました。
1980年代には発光するような明るい色彩のコントラストを強調し、幻想的な作風を確立。1990年代半ば以降は、一つの色面の中に複雑な色の重なりを彫りによって表現。2000年代後半には切り箔や堆漆板の効果を組み合わせるなど、常に沈金の可能性を広げ続けました。
その功績は高く評価され、2015年には輪島塗の作家として唯一、文化功労者に顕彰されています。
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